住宅ローンを契約するときに最初に決めるのが、金利を「変動」にするか「固定」にするかです。今後30年以上の家計に直結する選択になるため、両者の仕組みとリスクの違いを理解しておくのが安心です。この記事では、変動金利と固定金利の違いを返済額の数字を使って整理します。
変動金利型とは
変動金利型は、契約後も金利が市中金利の動向に合わせて見直されるタイプです。多くの金融機関では半年ごとに金利が見直され、5年ごとに月々返済額が再計算されます(5年ルール・1.25倍ルールを採用する銀行が多い)。
最大のメリットは、契約時点での金利が固定金利より低めに設定されている点です。2026年現在、変動金利の代表的な水準は年0.3〜0.5%程度で、固定金利型と比較すると明確に低い水準にあります。一方で、将来金利が上がった場合は月々返済額が増えるリスクを契約者側が負います。
固定金利型とは
固定金利型は、契約時に決めた金利が返済終了まで変わらないタイプです。代表的なのは住宅金融支援機構の「フラット35」で、民間銀行も独自の長期固定型を提供しています。
メリットは、契約時点で総返済額が確定し、将来の金利上昇リスクを負わずに済むことです。家計の月次予算を長期間にわたって安定させたい人に向きます。デメリットは契約時点の金利が変動型より高く設定されることで、近年は1.5〜2.0%程度の水準が多く見られます。
数字で見る違い
借入額3000万円・返済期間35年で、金利だけ変えて比較してみます。
| 金利水準 | 想定タイプ | 月々返済額 | 総返済額 | 利息総額 |
|---|---|---|---|---|
| 0.5% | 変動金利型 | 77,875円 | 約3,271万円 | 約271万円 |
| 1.5% | 固定金利型(中位) | 91,855円 | 約3,858万円 | 約858万円 |
| 2.0% | 固定金利型(高位) | 99,378円 | 約4,174万円 | 約1,174万円 |
金利0.5%と1.5%では、35年間トータルで利息が約587万円も違います。月々の差は約1.4万円ですが、長期で累積すると相当な金額になります。
ただし、これは変動金利が0.5%のまま35年続いた場合の試算です。実際には金利上昇局面では月々返済額が増えるため、変動と固定のどちらが結果的に得かは、将来の金利動向次第です。
どう判断するか
判断軸の整理は次の通りです。
変動金利型が向いている人
- 共働きなどで収入に余裕があり、金利上昇時の負担増を吸収できる
- 借入期間が比較的短く(10〜15年程度)、金利上昇の影響を受けにくい
- 繰上返済の余力があり、残債を早めに減らす予定がある
固定金利型が向いている人
- 家計の月次予算を将来にわたって安定させたい
- 収入の伸びがあまり期待できない、または定年が近い
- 金利上昇のリスクを取りたくない
近年は「ミックス型」(一部を変動、一部を固定)を選べる銀行もあります。また「10年固定」「20年固定」など期間限定の固定金利商品もあり、選択肢は多様化しています。
注意点
ここで紹介した金利水準と返済額はあくまで一般的な水準と概算です。実際の借入条件は金融機関の最終審査によって決まり、また金利水準は時期によって変動します。複数の金融機関で見積もりを取り、自分の家計や将来計画に合う方式を判断するのが安全です。
計算機で確認する
当サイトのローン計算ツールで、金利水準別の月々返済額・利息総額を比較できます。
それぞれの結果ページで、35年間の年次返済表も確認できます。