住宅ローンやマイカーローンを契約する際、申込書や説明書類で「元利均等返済」「元金均等返済」という用語を目にすることがあります。同じ借入額・同じ期間・同じ金利でも、この2つの返済方式を選ぶかで月々の返済額や利息総額は変わってきます。この記事では、両者の違いを具体的な数字を使って解説します。
元利均等返済とは
元利均等返済は、毎月の返済額(元金 + 利息)が一定になるように設計された方式です。住宅ローンを扱う多くの金融機関で標準として選ばれている、いわば「定番」の返済方式です。
返済初期は支払う利息の割合が大きく、月々の返済額のうち元金返済に充てられる金額は小さくなります。返済が進むにつれて残債が減るので利息分も減り、元金返済の割合が徐々に増えていきます。最終的に支払う金額の内訳は時期によって変わるという特徴があります。
元金均等返済とは
元金均等返済は、毎月の元金返済額が一定になる方式です。借入額を返済月数で割った金額がそのまま毎月の元金返済額になります。利息は残債に対してかかるため、残債が多い初期ほど利息も大きく、月々の総返済額(元金 + 利息)は最初が一番大きくなります。
返済が進んで残債が減ると、毎月の利息も減るので、月々の総返済額は徐々に小さくなっていきます。元金均等という呼び方の通り、変動するのは利息部分で、元金部分は最後まで一定です。
数字で見る違い
借入額3000万円・返済期間35年・年利1.5%で比較してみます。
| 項目 | 元利均等返済 | 元金均等返済 |
|---|---|---|
| 初月の返済額 | 91,855円 | 約108,929円 |
| 最終月の返済額 | 91,855円 | 約71,518円 |
| 総返済額 | 約3,858万円 | 約3,789万円 |
| 利息総額 | 約858万円 | 約789万円 |
元金均等返済のほうが利息総額で約69万円安くなる計算です。これは、元金均等のほうが残債の減り方が早く、利息がかかる残債が常に少ない状態で推移するためです。
一方で月々の返済額を見ると、元金均等は最初の負担が約1.7万円重くなります。返済初期の家計負担を抑えたいなら元利均等、総支払額を少しでも減らしたいなら元金均等、という整理になります。
どちらを選ぶか
各方式の特徴を踏まえると、判断軸はおおむね次の通りです。
元利均等が向いている人
- 家計の月次予算を一定にしておきたい
- 返済初期の負担を抑えたい
- 借入時点では世帯収入に余裕がなく、収入が増えていく見込み
元金均等が向いている人
- 借入時点で収入に余裕がある
- 総利息を少しでも減らしたい
- 将来的に収入が減る可能性を考慮し、早めに残債を減らしておきたい
実務上は、住宅ローンを扱う多くの金融機関で「元利均等のみ」を提供しているケースが目立ち、元金均等を選択肢として用意していないところもあります。マイカーローンや教育ローンでも事情は似ていて、契約前に金融機関の対応可否を確認するのが現実的です。
注意点
ここで紹介した金額はあくまで概算で、実際の借入条件は金融機関の最終審査によって決まります。また、ボーナス併用払い・繰上返済・各種手数料・団信保険料などは計算に含まれていません。複数の金融機関で見積もりを取り、自分の家計に合う方式を判断するのが安全です。
計算機で確認する
当サイトのローン計算ツールは元利均等返済方式で月々の返済額・総返済額・利息総額をシミュレーションします。条件を変えながら数字の変化を確認できます。
借入額・返済期間・金利を動かすと、月々返済額や利息総額がどう変わるかを試しながら判断してみてください。